カートトレーニング
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レベル5の椎間板ヘルニアで完全に下半身麻痺、術後3ヶ月何も改善しなかった子がカートトレーニングで、リハビリ効果を見せています。

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カートトレーニングについて

うちの子を担当して下さっている獣医さんのお話では、日本はまだまだカートトレーニングについての研究が進んでいないとの事で、その効果が学会で立証されている訳ではありません。ですが、車椅子が与える効果について、獣医さんも認めて頂いているので、ヘルニア等で下半身が麻痺した患者(ワンちゃん)に対して、ご紹介いただき、動物病院まで採寸に出かけ、完成した車椅子を獣医さんの見守る中、調整し試乗する事もしています。

獣医さんが認める効果について、まずはその軽量軽快性による患者への負担の少なさ。それと動けるようになった事によるストレスの軽減。外に出て散歩が出来るようになった事によるメンタル面の改善についておっしゃっていました。 これは、家の子がうれしそうにはしゃいで散歩する状態を毎週の通院時に動画で獣医さんに状態を見せて知ってもらっていますし、他の患者さんからも非常に喜んで頂いているとのことです。

「歩けるようになりました」「散歩に行くのが楽しみになりました。」「車椅子を持つだけで散歩に行けると、はしゃいで喜んでいます」などの感謝のご連絡を直接頂くこともあります。

次に大事な点ですが、足が動くようになった点です。鍼治療も平行して行っているので、一概にカートトレーニングの成果とは言えませんが、ダックスの用に足の短い犬種よりトイプードルは足がかなり長い為、立つことも大変で、それだけ歩行訓練も難しいと言われていました。初め、手で釣る方式の介護用の物で腰を支えて歩行訓練をさせようとしたのですが、動き回るのには本人(犬)も大変で、支えている方も結構大変で、おまけに本人自体が、「ぼくは何でこんな事をやらされているの?」って感じで全然楽しそうにありませんでした。使用する時間も数分が限度で、すぐに飽きてしまって動かなくなってしまいました。

カートに初めて乗せて、簡単に動き回れる事が解ると、「あれ?」といった顔で嬉しそうに顔を見上げて、ずーっとつまらなさそうに自分の不自由さにしょげていたうちの子が本当に何ヶ月ぶりかの嬉しい顔を見せてくれました。この時の感動は今でも忘れられません。この時すでに自由に動けなくなって3ヶ月が経っていたので、このまま一生不自由なのかと思うと悲しくて仕方ありませんでしたし、恥ずかしながら介護の大変さは、この時初めて実感しました。ですが、この嬉しい顔で全てに希望が見えるようになりました。 始めは、本当に雑な車椅子でしたが、改良を重ね、よりよい車椅子とする為、必要な工具を買い足し、今に至っています。

始めからカートトレーニングを意識して設計しましたので、最初の車椅子は、室内用で足が動かせるようにしています。 もちろん足置きは無く、動いていない足は、引きずる形になります。 完全に足が宙にぶら下がるのでは無く、腰の高さを調整してつま先が軽く床に擦れる程度にして、使わせていました。

カートトレーニング方法

ここで説明するカートトレーニングの方法は、一般的なヘルニアによる下半身麻痺から改善してきている一例なので、トレーニー(犬)の状態によって方法は違うかもしれませんが、参考の為に実施例を載せます。

【STEP1】 室内で慣らす
まず、足置きを外し、ベルトの調整をします。胸ベルト、首ベルトのきつい場所が無いかを見て、室内では勢い良く走り回る必要が無いので、ベルト類は緩めに調整します。
始め、「何すんの?」って顔をしたり、乗ったまま固まったりしますが、まずは乗せてみて下さい。次に後足ハーネスで腰の高さを調整します。
足がべたっと下に着くようでは腰の高さが低すぎます。室内の場合は、フローリングやカーペットなのと、動き回れる距離も短いので、擦過傷になることは少ないですが、始めは足を引きずる事になりますので、なるべく摩擦が少なくなるように爪先が軽く床にこすれて適度に刺激が伝わる程度にしてください。

乗せたままのハーネス調整は難しいので、調節は車椅子から犬を下ろした方が簡単です。 調整が終わったらいよいよ歩行訓練です。
 車椅子に乗せた状態でしばらく様子を見てみます。(1〜2分)
すぐに歩けることが解って歩き出す(移動しだす)子もいますが、動かない場合は、少し後ろから押して動けることを教えてあげましょう。快適に動けることが解ったら後は自分で動いてくれます。 

始めは5分程度を限度に使用し、徐々に時間を長くして使用してください。苦しそうな顔をしたり、息が荒くなったらすぐに車椅子から降ろしてください。
 今まで動けなかった分、筋力が落ちています。リハビリは気の長い作業となりますので、焦らずに無理をさせないでください。

 

【STEP2】 外でお散歩
室内で30分以上の時間、車椅子に乗せても問題なく過ごせるようになったら、いよいよお外を散歩です。その前に、足置きを付けて、後足ハーネスの高さを調整します。そのままの高さでは恐らく低すぎますので、2〜3段ほどベルトの穴の位置を変えて高くします。 外を散歩するようになると顔つきが変わります。すぐに車椅子での散歩にも慣れて筋力アップと主にメンタル面での効果が見られると思います。

 

【STEP3】 足置き無しで散歩
メンタル面の改善を目的とした外の散歩と同時に本来の後足のリハビリを目的とした室内での使用を続けてください。足置き無しの状態で室内で後足が動き出した子であれば、外の散歩も足置き無しで行ける可能性が近くなります。 様子を見て徐々に外でも足置き無しで散歩してみてください。 ここで気をつけなければならないのは、外の場合は、始めは柔らかい土の上か、芝などの足が擦過傷になりにくい場所で行ってください。アスファルトやコンクリートの上で足を引きずる状態になったら、短時間でも擦過傷になります。 足が動く子でも腰の位置が低すぎるとまだ完全に足が動かないので、擦ることになります。十分注意してください。

 

カートトレーニングの成果例(その1)

こちらでカートをお作りした、ミニチュアダックスの例ですが、レベル5の麻痺で、後足が動かない状態についてある別の獣医さんの見解で「一生このままです。」と見放された子が、カートによる歩行を続け、僅か1ヶ月で立つ様になり、今は足場が良い芝生の上などは歩いているとの事です。この子担当の獣医さんのお話では、「麻痺が治っている訳ではないんです。痛覚が無いのに歩いているんです。脊髄歩行だと思いますが、それにしては足が動いて歩いているんです。」と少し不思議そうな感じで、予想以上の結果に驚いていらっしゃるようです。 この子の場合は、うちの子と同じく鍼治療も同時に行っていますので、カートのみの効果だとは思いません。 ただ、足が動ける環境をカートは作っているので、大きく貢献できていると思います。 他の同じような患者さんに対しても、このような前例があるので、「まだ、諦めることは無いですよ」と希望を持って、車椅子をご紹介頂いています。

カートトレーニングの成果例(その2)

こちらでカートをお作りした、シェルティーの例です。交通事故で脊髄を損傷し、片足が動かない子をもう一度散歩させてあげたいとの事で依頼がありました。特別片足のみの足置き仕様にしてお使い頂きましたが、数回の使用で足が動くようになったそうです。担当の獣医さんも脊髄を損傷しているはずなので、その成果にびっくりされているそうです。 まだ足の調子のいい時と悪いときがあるようですが、感謝のご連絡を頂きました。ほんと自分で歩けるようになって良かったです。また喜んでいただいて、こちらも大変嬉しいです。

カートトレーニングの成果例(その3)

こちらでカートをお作りした、ミニチュアダックスの例です。始めに掛かった獣医さんの誤診により、椎間板ヘルニアの手術がかなり遅れたので、回復は難しいと言われていたのですが。カートトレーニングによって1ヶ月も経たないうちに足を動かして、室内ではカート無しでも歩いているとのお話です。車椅子をお渡しする際に「どれくらいで歩けるようになりますかねぇ」と質問されたのですが、厳しい言い方ですが「私は医者では無いので、解りませんが、きっと良くなると思いますよ」とお答えさせて頂いていました。その後、お会いしていないので、実際に歩けるようになった所を見れないのが残念です。

 

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