次に大事な点ですが、足が動くようになった点です。鍼治療も平行して行っているので、一概にカートトレーニングの成果とは言えませんが、ダックスの用に足の短い犬種よりトイプードルは足がかなり長い為、立つことも大変で、それだけ歩行訓練も難しいと言われていました。初め、手で釣る方式の介護用の物で腰を支えて歩行訓練をさせようとしたのですが、動き回るのには本人(犬)も大変で、支えている方も結構大変で、おまけに本人自体が、「ぼくは何でこんな事をやらされているの?」って感じで全然楽しそうにありませんでした。使用する時間も数分が限度で、すぐに飽きてしまって動かなくなってしまいました。
カートに初めて乗せて、簡単に動き回れる事が解ると、「あれ?」といった顔で嬉しそうに顔を見上げて、ずーっとつまらなさそうに自分の不自由さにしょげていたうちの子が本当に何ヶ月ぶりかの嬉しい顔を見せてくれました。この時の感動は今でも忘れられません。この時すでに自由に動けなくなって3ヶ月が経っていたので、このまま一生不自由なのかと思うと悲しくて仕方ありませんでしたし、恥ずかしながら介護の大変さは、この時初めて実感しました。ですが、この嬉しい顔で全てに希望が見えるようになりました。 始めは、本当に雑な車椅子でしたが、改良を重ね、よりよい車椅子とする為、必要な工具を買い足し、今に至っています。
始めからカートトレーニングを意識して設計しましたので、最初の車椅子は、室内用で足が動かせるようにしています。 もちろん足置きは無く、動いていない足は、引きずる形になります。 完全に足が宙にぶら下がるのでは無く、腰の高さを調整してつま先が軽く床に擦れる程度にして、使わせていました。